大変お久しぶりでございます。いつの間にか4年強という時間が流れてました。ひっとりと生きてました。

 相も変わらずポケモンポケモンしてる…なんてことはなくて、日常の中に残ったポケモン要素はもはやペンケースのフシギダネヒトカゲゼニガメと、102やら207やら252やらどこかで見たような数字に対して過敏に反応してしまう己自身となりました。月日というものは残酷ですね。

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唯一残ったポケモン要素。かわいい。


 以下本題。

 昔からスタンプラリーが好きでした。
 あらかじめスタンプを辿る道順を下調べやら試行錯誤やらをしたり、いざそれを実行してみると当初全く想定していない出来事に遭遇してあわあわしたり、とうとうそこへたどり着いた後にもスタンプ台を発見するまで覚えるあのもどかしさ。そしてコンプリートした暁にもらえるちっぽけな賞品こそがまたいいのです。後になって、手に入るまでの過程が想起させられるそれは、他人から見たらまるでガラクタなのがいい。幼少期に友だちと交わしたちょっとした秘密や二人だけに通じる隠語みたいなものなのです。

 そんなわたしですが、Pokémon GOの発表の時はぶったまげました。ああ、今度は日本中、はたまた世界中に散りばめられたポケモンという名のスタンプ台を探しに行くのだ。これが心ときめかさないわけがない。wktkが止まらない。

 ところがどっこい、実際にサービスが開始されると、そこは住んでいる場所に関わらず、ほぼ画一的にポケモンが出現する世界。
 ささやかに用意されていたのはカモネギ・ガルーラ・ケンタロス程度。そこではスタンプラリーとは毛色の異なる、地域差を極力なくした平等な世界が想定されていたのだ。コラッタに会うためにカントーへ、ビッパに会うためにシンオウへ向かう必要はなかった。

 冷静に考えてみれば当たり前だ。東北や(Pokémon GO初リリース当時の)四国、はたまたフランスやハワイ以外の国外で出るポケモンは、原作に倣ったようには出現場所を設定しようがない。今やポケモンはコアなファンのみが楽しめればいい範疇を越えてしまった。最大多数が恩恵を享受でき、かつ商業的にも成立し続ける義務が課せられてしまった。グレーゾーンな表現をしてむやみやたらなクレームを許す隙すら見せられない。無難かつ斬新という、一見相反した内容を全世界から求められている。自分が20年以上前に好きだったポケモンのままでいられるはずがない。我々自身、幼少期から数多の人と仲良くなってきたような気になっていたけれども、その中で20年来の仲となった友だちは、一体何人残っただろうか。ふと、どこかのインターネットで見たレスが思い起こされた。

 昔の友人を大切にしなくてはいけないという考えは幻想である。
 子供の時に着ていた服は体が成長するにしたがって合わなくなり着なくなるというか着られない。
 友人もそう。心の成長に従いその時々に合った友人をつくっていく。合わなくなった友人は捨てる。
 ところが困ったことに以前の友人が自分を以前の寸法の服だと思い込み
 そうあってほしいと願っている者がいるということだ。

 人と服とは必ずしもそのまま置換できるものではなく、やや詭弁的な印象も受ける一方で、最近(ここ7,8年くらい)のポケモンへ募り続けていたわだかまりをどこか的確に表現している気もする。きっと自分もポケモンも成長したのだ。いいことなのだ。多分ね。

 そんなこんなでPokémon GOはスタンプラリー好きな自分には合わずに消してしまったのですが、ごく最近そういったスマホアプリを紹介されて始めてみたのです。なんかステマっぽい文章ですね。そう思われるのは本意ではないので、気になったら駅メモでググってください。なんかかわいらしい女の子がいっぱいいる危なそうな検索結果が出てきます。それです。スマートフォンの位置情報を利用して、実在する駅を集めつつ位置取りゲームをする感じです。それがまさに自分の求めていたスタンプラリーゲーでした。

 当方、5年前から北カントーから札幌へ越してきたものの、なかなかの出不精なこともあり、北海道でなんとなく行ってみたいと思うところは数多くありつつも結局近場の小樽くらいしか訪れていませんでした。これはPokémon GOでも同様に言えることですが、位置情報ゲー(こういう名称が一般的なのかはよくわからないけど)は、観光地を訪れるとてもいい契機になり得るのがいいですね。ゲームセンターの出現で一端は外へ出たゲーマーが、ネット回線の登場により家の中に引き戻され、GPS情報の利用により今再び外の世界へ飛び出す。なんかすてきやん。そう言えば、GPSこそ使わないものの、家に引きこもっていてはほぼ楽しめない3DSのすれちがい通信も最強に好きでした。

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懐かしのすれちがいマップ。日本コンプ時のもの。Miiverseさん、いつの間にか死んでまった。


 こんな風に、個人的にはスポット依存性の位置情報ゲームを褒め称えていますが、それだとオーキド博士念願のこの せかいの すべての ポケモンを きろくした かんぺきな ずかんを つくることが成就するには途方もない金と時間がかかったり、調べてみると実際にそういうゲームシステムらしい「妖怪ウォッチGO」もとい「妖怪ウォッチ ワールド」が完全に冷え切っている現状もあったりで、たぶん自分がゲテモノ好きなんだと思います。